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ケミカルピーリングの危険性・リスク・副作用とその5つの対策

 執筆者: 加治佐 卓也
医学博士・形成外科専門医

ケミカルピーリングとは、酸を含む薬剤を皮膚に塗り、余分な角質を除去することで美肌効果を期待できる治療法です。

ケミカルピーリングは、医療機関だけでなく自宅で行うこともできる治療法なので知っている方も多いかもしれません。

ただし、間違った方法でケミカルピーリングを行うと、皮膚の赤みや痛みが出たり、キズ跡が残ってしまう場合があるので注意が必要です。

ここでは、副作用の症状や対処法などについてわかりやすく解説します。

ケミカルピーリングの副作用

ケミカルピーリングは、専門知識のある医師のもとで行うのが最も安全です。

しかし、体調や皮膚の状態によって副作用が起こってしまう可能性もあります。

副作用に関しては、事前に医師から説明される場合が多いですが、不安なことやわからないことは治療前によく相談するようにしましょう。

赤み

ケミカルピーリングの副作用 赤み 

ケミカルピーリングでは、酸を含んだ薬剤で皮膚の表皮をうすくはがします。

皮膚をうすくはがすので、皮膚に炎症が起こり、赤みが出る場合があります。

医療機関では、ピーリング剤と皮膚を反応させている時に皮膚の状態をよく観察し、赤みが出る前に反応を止めることで副作用を少なくしようと心がけています。

しかし、皮膚が敏感な方や体調が優れない方、体質などによって皮膚の赤みが出てしまう場合があります。

また、ピーリング剤に対するアレルギーで赤みや痒みなどの症状が出る方もいます。

色素沈着

ケミカルピーリングの副作用 色素沈着

日本人のようなアジア人は、白人に比べて色素沈着が起こりやすいことがわかっています。

海外では、比較的濃度や酸性度が強いケミカルピーリングが行われていますが、日本人に同じ条件で治療をしてしまうと色素沈着の原因になる場合があります。

色素沈着を避けるためにも、治療中に皮膚の反応を見ながら、適切な濃度、酸性度、反応時間を検討する必要があります。

色素沈着は、数週間から数か月後で改善することも多いです。

乾燥

ケミカルピーリングでは、皮膚の細胞を人工的にうすくはがす治療法なので、一時的に皮膚の角質層も取り除いてしまいます。

皮膚の最も外側に存在する角質層は、皮膚を乾燥や刺激から守る役割があります。

治療後に、皮膚の再生と共に角質層も元に戻るので、たいていの場合は心配はいりません。

しかし、角質層が元に戻るまで皮膚が乾燥しやすくなります。

皮膚の乾燥を避けるために、保湿や紫外線予防に気を付けましょう。

キズ跡

まれではあるものの、ケミカルピーリングの後にキズ跡が残ってしまう場合があります。

キズ跡が盛り上がったものを肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)、キズ跡がへこんだ状態で残ってしまったものを萎縮性瘢痕とよびます。

また、キズ跡が赤くみみず腫れのようになるケロイドという副作用が起こってしまう場合もあります。

ケミカルピーリング製剤の選び方

ケミカルピーリングでは、酸を含む薬剤を使用して皮膚をうすくはがし、再生を促します。

使用する酸には、乳酸、グリコール酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸などが含まれます。

酸の種類によって副作用のリスクに違いがあります。

例えば、トリクロロ酢酸はタンパクと結合しやすいため、皮膚に局所的に強く作用するのでキズ跡を残すリスクがあります。

どの薬剤をどれくらいの濃度で使用するかは、医師が皮膚の症状を見てから判断します。

専門知識のある医師に任せればケミカルピーリングは安全に行える治療ですが、不安なことや聞いておきたいことがあれば治療前によく相談しましょう。

ケミカルピーリングを避けるべき方

医学な理由から、ケミカルピーリングをしてはいけない方もいます。

ケミカルピーリングをしてはいけない方がしてしまうと、皮膚だけでなく、身体にも副作用が起こることがあるので注意が必要です。

以下のような方は、ケミカルピーリングを行わないようしてください。

  • 妊娠している
  • 授乳中である
  • 日光を過剰に浴びる
  • 皮膚の病気に対してステロイドを使用している
  • ケロイド体質
  • 免疫力が低下している
  • 皮膚にウイルス感染がある
  • 特定の内服薬を服用している

ケミカルピーリングの副作用と失敗を避けるための5つのポイント

ケミカルピーリングは、治療経験の多い医師のもとで行えば比較的安全な治療法です。

しかし、皮膚の状態や体調によって副作用が起こってしまう場合もあります。

また、治療後のアフターケアが間違っていると皮膚を良い状態に保てなくなる可能性もあります。

ケミカルピーリングの副作用と失敗を避けるためのポイントには以下のようなものが挙げられます。

保湿をする

ケミカルピーリングの施術を受けた後は、皮膚が乾燥しやすくなります。

ケミカルピーリングによって、皮膚を乾燥や刺激から守る角質層も一時的にはがされてしまうからです。

乾燥を放置していると、せっかくケミカルピーリングをしたのに小ジワができてしまうかもしれません。

ケミカルピーリングの後には、十分な保湿を心がけましょう。

紫外線を避ける

紫外線は、皮膚の乾燥やシミ、シワの原因になるのでケミカルピーリングの治療の有無に関係なく、日頃から避けた方がよいです。

特に、ケミカルピーリングの施術後では、皮膚を紫外線から守る角質層が一時的に取り除かれているので、再生するまでは紫外線を避ける必要があります。

紫外線の強い日中は外出を避ける、帽子や日傘、サングラスを使う、などの紫外線対策をしましょう。

肌質に合ったピーリング剤を選択する

ケミカルピーリングで使用する薬剤にはいくつかの種類があり、体質や皮膚の状態によって、濃度の調整が必要です。

また、皮膚の反応を見ながら薬剤の酸性度(pH)、塗布する時間の調整が必要です。

例えば、グリコール酸では30%以上の濃度、pH2以下の酸性度でキズや腫れなどのリスクが高くなるといわれています。

信頼できる医師に相談しながら、自分の肌質に合ったピーリング剤を選ぶことが大切です。

専門知識のある医師のもとで治療を進める

ケミカルピーリングの治療経験があり、専門知識を持つ医師のもとで治療を行うと、副作用が起きたとしてもすぐに対処してもらうことができるので安心です。

不安なことやわからないことは、事前によく相談するようにしましょう。

エステでケミカルピーリングを行わない

以前は、エステでも酸を使用したケミカルピーリングが行われていました。

しかし、全く専門知識がない者が治療を行い、かえって赤みや色素沈着、かさぶた、キズ跡などが残ってしまたっという事例がありました。

2000年からは、日本国内におけるケミカルピーリングは医療機関で医師免許を持つ者しか行うことができません。

専門知識を持った医師のもとで、安全に治療を受けるようにしましょう。

まとめ

ケミカルピーリングは、専門知識を持った医師のもとで行えば比較的安全な治療法です。しかし、皮膚の状態や体質によって副作用が起こってしまう場合もあります。

例えば、ケミカルピーリングでは酸を使用して皮膚をうすくはがすので、皮膚の炎症や乾燥、色素沈着などの副作用が起こることがあります。

副作用や失敗をなるべく避けるためには、肌質に合ったピーリング剤を選んだり、適切なアフターケアをすることが大切です。

信頼できる医師のもとでケミカルピーリングを行い、美肌を目指しましょう。