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複合性局所疼痛症候群(CRPS)について

CRPSとは

外傷などの後に、局所の痛みが長引く状態のことを複合性局所疼痛症候群(CRPS:complex regional pain syndrome)と呼びます。

神経損傷からの通常の治癒過程において、その度合いが不釣り合いに思われるような局所性疾痛が持続することが特徴です。
つまり、たいしたことがないケガなどの後に激痛が起こり、持続するという特徴があります。

早期治療が重要

早期から適切な治療を行えば、良好な回復が得られる場合が多いです。
そのため、CRPSと診断される場合には、早期から治療を行うことが重要です。

症状

特有なものはなく、多彩な症状があります。

特徴的なものとしては、アロディニアと呼ばれる、少し触れただけでも激痛が起こるような症状があります。

その他、通常、手足の指の末端のむくみや発汗異常、皮膚温異常を伴います。

慢性期には、関節が拘縮したり、骨や皮膚の萎縮が生じることもあります。

治療法

薬物療法

確実な効果のある薬物はありません。

急性期には非ステロイド性抗炎症薬を用いますが、効かないことも多いです。
痛みをコントロールするために抗うつ薬を使用することもあります。

痛みの緩和が不十分な場合は、さらにセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬という抗うつ薬やノイロトロピンという痛みに対する治療薬の使用を考慮することもあります。
炎症を伴う場合は、ステロイドの内服を行う場合もあります。

理学療法

温熱刺激,温冷交代浴などの物理療法と運動療法を行います。
運動療法では、可動域訓練などによる筋力強化訓練が行われます。

神経ブロック

交感神経ブロックや知覚神経ブロックが行われる場合があります。

認知行動療法

自己の行動を正しく認識することで、痛みの軽減や活動量増加を目指します。
その他、バイオフィードバックや自律訓練療法などの心身医学的療法も行う場合もあります。

顔への注射でCPRSが起こる確率は?

CRPSの報告例は、手足の骨折など、ある程度の太さの神経が傷ついた場合で起こっていることがほとんどです。

グロースファクターなどの細い針によるお顔への注射の場合は、太い神経があるところまで注射の針は届かないので、CRPSが起こる確率は非常に低いと言えます。
実際に、これまで当院で起こったことはありません。

また、顔面の骨折を伴うような大きな顔のケガの後にCRPSが起こったという報告例もほとんどありません。

他院へのご紹介について

痛み止めをしばらく内服し続けてみても効果が見られない場合は、ペインクリニックに紹介いたします。

参考文献

今日の治療指針2021年版

Peripheral Nerve.25(1),2014