モフィウス8は、皮膚に細い針を挿入し、針先からRF、つまり高周波エネルギーを照射するマイクロニードルRF治療です。
単なる表面治療ではなく、真皮から皮下組織に熱エネルギーを届けることで、肌の引き締め、ハリの改善、皮膚の若返りを目指します。
2024年のJournal of Cosmetic Dermatology掲載論文では、モフィウス8によるRFマクロニードリング治療後の皮膚生検により、表皮細胞、線維芽細胞、血管、コラーゲン線維、エラスチン線維の増加が示されています[1]。
実は、モフィウス8は「切らないリフトアップ治療」と表現されることがありますが、フェイスリフト手術のように組織を大きく移動させたりする治療ではありません。
そのため、強いたるみ、皮膚の余り、脂肪量の多さ、骨格による影が主な原因の場合、モフィウス8だけで大きな変化を出すことは難しい場合があります。
当院では、顔のシワ・たるみを考える際に、皮膚のコラーゲン減少、脂肪の厚み、骨格、たるみの位置、シミ・くすみ・毛穴などを分けて評価することを重視していますが、モフィウス8のような照射治療においても、グロースファクター注入療法と同様に、「どちらが優れているか」ではなく、どの悩みに、どの順番で、どの間隔で行うべきかを考えることが重要です。
本記事では、モフィウス8の仕組み、適応、効果の限界、ダウンタイム、リスク、料金の見方、クリニック選びのポイントを、文献情報を元に解説します。
※本治療は当院では採用されていません。
目次
モフィウス8が向いている方・向いていない方
モフィウス8が向いている方
モフィウス8の適応となるのは、軽度から中等度の皮膚のたるみ、フェイスラインのもたつき、アゴ下のたるみ、首の軽いたるみ、肌のハリ低下、小ジワ、毛穴、ニキビ跡、肌質の乱れが気になる方です。
モフィウス8が向いていない方
皮膚の余りが強い方、脂肪量が多い方、骨格による影が強い方、深いほうれい線やマリオネットラインを一度で大きく改善したい方には、モフィウス8単独では変化が限定的な場合があります。
Aesthetic Surgery Journal掲載の報告では、RF治療は「切って縫う手術の代替」ではなく、手術を行うにはまだ早いものの、脂肪吸引だけでは皮膚収縮が不十分になりやすいに対する選択肢として位置づけられています[2]。
つまり、モフィウス8は「手術の代わり」ではなく、「軽度から中等度の皮膚のたるみ」や肌質改善を目指す治療と考えるのが現実的です。
モフィウス8とは?
マイクロニードル×高周波(RF)
モフィウス8は、マイクロニードルとRF高周波を組み合わせた治療機器です。
Aesthetic Surgery Journalに掲載された論文では、モフィウス8は「プログラム可能な穿刺深度とエネルギー設定をもつフラクショナルRF機器」と説明されています[2]。
RFは、電気抵抗によって組織内に熱を発生させる治療です。
RFによる熱刺激が真皮網状層に加わることで創傷治癒反応が起こり、コラーゲン形成につながります。
また、皮膚表面温度が40〜45℃に達すると、コラーゲン、エラスチン、血管の新生が起こると考えられています[2]。
マイクロニードル+RFの作用メカニズム:コラーゲン産生と引き締め
また、モフィウス8は、24本のコーティング針を用い、皮下組織に到達して脂肪凝固、真皮網状層や周囲結合組織の収縮、新生コラーゲン・新生エラスチン・血管新生を刺激します。
2024年のJournal of Cosmetic Dermatology掲載論文では、モフィウス8によるRFマクロニードリング治療後の皮膚生検により、表皮細胞、線維芽細胞、血管、コラーゲン線維、エラスチン線維の増加が示されています[1]。
つまり、モフィウス8は、針を介して真皮・皮下レベルに熱刺激を加え、組織の収縮とリモデリングを目指す治療と考えられます。
チップ・ニードル構造と照射深度の違い
穿刺深度について、目周り・骨ばった部位・額・アゴは2mm、顔の軟部組織や首は3mm、体は4mmになります。
さらに熱影響が1mm程度加わることを考慮する必要があります[1]。
施術時間や1回あたりの目安|治療回数の目安
治療回数は1〜3回、間隔は3〜6週間、ダウンタイムは2〜5日です[1]。
ただし、実際の設定は部位、皮膚の厚み、たるみの程度、色素沈着リスク、痛みの許容度などによって調整が必要です。
効果と適応:たるみ・シワ・毛穴・ニキビ跡など
主な適応
モフィウス8の主な適応は、以下の通りです。
- 軽度から中等度の皮膚のたるみ
- フェイスラインのもたつき
- アゴ下のたるみ、首の軽いたるみ
- 肌のハリ低下
- 小ジワ
- 毛穴の開き
- 肌質の乱れ
ワキ・膝周り・腹部における脂肪吸引の代替
局所的な脂肪蓄積が見られる部位として、腋窩(ワキ)、膝周り、腹部などがあります。
これらの部位において、特に皮膚の弾力性が低下いる場合は、脂肪吸引が難しい場合があります。
その場合、RFマイクロニードリングによる治療効果が期待できます。
これらの部位は、より深い治療(4,000μm)によって効果が得られます。[2]。
フェイスライン〜アゴ下のたるみ・もたつきに対する改善効果
フェイスラインや顎下は、モフィウス8の代表的な適応部位の一つです。
Aesthetic Surgery Journalの論文では、頬下部のたるみやアゴ下の皮膚のたるみに対して、RFマイクロニードリングを行った症例写真が提示されています。
また、首のたるみとジョーリングに対して、RFマイクロニードリングとバイポーラRFの併用療法を受けた247名を前向きに評価し、93%が結果に満足し再度受けたいと回答したと記載されています[2]。
ただし、この論文はエビデンスレベル4であり、ランダム化比較試験ではないことに注意が必要です。
したがって、アゴ下やフェイスラインの軽度から中等度のもたつきには選択肢となり得ますが、強いたるみや皮膚のだぶつきに対して手術と同等の変化を期待するのは難しいと言えます。
目元・クマ・シワへの適応と注意点
目元は皮膚が薄く、骨に近い部位です。
Aesthetic Surgery Journalの論文における治療パラメータ表では、目周り、骨性部位、額、アゴでは2mmの深度が示されています。
また、骨ばった部位や薄い皮膚ではエネルギーを20%下げ、重ね打ちを避けるべきと記載されています[2]。
このため、目元の小ジワや皮膚のたるみに対して施術されることがあります。
しかし、目の下のクマの原因が、眼窩脂肪の突出、皮膚の薄さ、色素沈着、血管透見、骨格による影などである場合、モフィウス8だけで十分な改善が得らえるとは限りません。
また、目元では、過照射による色素沈着、腫れ、熱傷、凹凸などのリスクに配慮が必要です。
毛穴・ニキビ跡・肌質改善
2024年のJournal of Cosmetic Dermatology掲載論文では、モフィウス8治療後の皮膚生検で、コラーゲン線維やエラスチン線維の密度増加が報告されています。
この組織学的変化は、肌のハリ、質感、小ジワ、毛穴の見え方の改善が示唆されます[2]。
ただし、今回の文献のみからは、「ニキビ跡に対してどの程度改善するか」「凹凸瘢痕に対して何%改善するか」までは確認できません。
そのため、ニキビ跡への効果は、凹みの深さ・瘢痕のタイプにより効果には個人差があると言えます。
痛みについて
モフィウス8は、針を皮膚に挿入してRFを照射するため、痛みや赤み、腫れを伴うことがあります。
施術では、部位や出力に応じて麻酔クリーム、局所麻酔などが使用されます。
高エネルギー設定では神経ブロックや局所麻酔が必要になることがあります[2]。
痛みの感じ方は個人差がありますが、針を刺す痛みと熱感を伴う治療の部類になります。
施術の流れ:施術前の準備〜当日の流れ
施術前の確認
施術前には、既往歴、内服薬、妊娠や授乳の有無、ヘルペスの既往、ペースメーカーや体内金属の有無、感染症、傷の治りやすさ、ケロイド体質、抗凝固薬や免疫抑制薬の使用、施術歴、希望する変化が現実的かどうかを確認します。
治療の流れ
診察、洗顔、麻酔、照射部位の確認、照射、冷却、術後説明という順番が一般的です。
禁忌
膠原病、活動性感染、免疫抑制状態、妊娠、創傷治癒不良、非現実的な期待があります。
術後の赤み・腫れ・内出血の経過とダウンタイムの目安
施術直後の冷却により不快感、紅斑、浮腫を軽減できます。
施術後1〜3日は抗菌軟膏を使用し、その間は日焼け止めやメイクなどの外用剤を控えること、針穴が閉じる1〜3日後からメイク、保湿剤、日焼け止めを使用できmす[2]。
ダウンタイムは2〜5日です。
赤み、腫れ、点状出血、内出血、かさぶた、色素沈着などの出方には個人差があります。
効果の実感・症例写真について
効果が出る時期
モフィウス8の効果は、施術直後に大きく完成するものではなく、熱刺激後の組織反応やコラーゲンリモデリングを通じて、時間をかけて変化を目指す治療です。
症例写真で見る変化:1回・複数回の比較と実感時期
Aesthetic Surgery Journalの論文では、アゴ下と口元のたるみに対する施術後6か月の症例写真が提示されています[2]。
ただし、症例写真では一定の改善が得られていますが、日本人のモニターではないことと、1例のみの掲載なので、この写真だけで治療効果を判断することはできません。
コラーゲン増生とリフト効果
2024年のJournal of Cosmetic Dermatology掲載論文では、モフィウス8治療後に、若年群では表皮細胞が8.1%、線維芽細胞が21.1%増加し、炎症細胞は23.5%減少したと記載されています。
また、全対象で血管面積の増加が観察され、若年群ではコラーゲン密度が25%、エラスチン線維が33.3%増加したと記載されています[1]。
一方で、同論文の結論では、皮膚状態の変化の統計学的有意性を確認するには、より大きなサンプルサイズの研究が必要とされています。
したがって、組織学的には前向きな変化が報告されていますが、効果の大きさを全ての方にそのまま当てはめることはできません。
他治療との組み合わせと違いについて
モフィウス8は、皮膚の引き締めや肌質改善を目指す治療です。
一方、ヒアルロン酸注入はボリューム補正、ボトックスは筋肉の動きによるシワの軽減、脂肪吸引は脂肪量の減少、切開リフトは皮膚・組織の移動や余剰皮膚の処理を目的とします。
Aesthetic Surgery Journalの論文では、RF治療の目的は、切除手術が適応となる患者に対して手術を置き換えることではなく、「治療の隙間(treatment gap)」にいる方の皮膚引き締めを目指すことだと記載されています。
また、皮膚のたるみの改善度についての比較としては以下の通りであったと紹介されています[2]。
- フェイスリフト手術・・・49%
- フラクショナルRF・・・16%
つまり、モフィウス8は、フェイスリフトなどの手術治療の1/3程度の効果があることが示されています。
また、その代替というより、「軽度から中等度の皮膚のたるみや肌質改善」に対する選択肢と考える方が現実的です。
ポテンツァや従来機との違い:RF・高周波・機器性能の比較
ポテンツァもモフィウス8も、広い意味ではマイクロニードルRFに分類されます。
ただし、モフィウス8とポテンツァを直接比較した臨床試験は今のところありません。
したがって、「モフィウス8の方がポテンツァより優れている」「ポテンツァより効果が強い」といった断定は、現時点では難しいと言えます。
当院の考え方:モフィウス8とグロースファクターの違いについて
グロースファクターは元々皮膚にあるタンパク質の一種で、注射した部位の皮膚のコラーゲンを増やす治療です。
モフィウス8とグロースファクターは、どちらも「コラーゲン」や「皮膚のハリ」に関係する治療になります。
ただし、前者は脂肪を減らることがある一方、後者では脂肪は変化しないということや治療の考え方が異なります。
モフィウス8は「熱刺激による引き締め・肌質改善」
モフィウス8は、針と高周波を使って皮膚に熱刺激を加える治療です。
真皮・皮下組織への熱刺激により、組織の収縮、新生コラーゲン、新生エラスチン、血管新生などを促す可能性が報告されています[2]。
そのため、モフィウス8は、軽度から中等度の皮膚のたるみ、フェイスラインのもたつき、毛穴、小ジワ、肌質改善に向いている治療になります。
グロースファクターは「注射部位の皮膚のハリを出す治療」
グロースファクター注入療法は、皮膚そのものを若返らせることでシワ・たるみを改善する注射治療です。
法令線治療では、注射した部位に皮膚のハリを出し、溝を改善し、上からの重みに対する支えを作るという考え方を重視しています。(法令線のグロースファクターの詳細>)
つまり、モフィウス8は「熱刺激で皮膚を引き締める治療」、グロースファクターは「注射部位の皮膚のハリを出す治療」と整理できます。
モフィウス8とグロースファクターの使い分け
前述の通り、モフィウス8は、肌全体のハリ低下、毛穴、小ジワ、軽度のたるみ、フェイスラインやアゴ下の軽いもたつきなどに向いている治療になります。
ただし、特に法令線などの深い溝を一度で大きく改善する治療ではありません。
一方、グロースファクターは、ほうれい線、目の下、頬、口元など、特定のシワ・くぼみ・たるみに対して、コラーゲンを増やし皮膚のハリを出すことで改善を目指します。
実際に、法令線などのグロースファクターの症例写真をご覧いただくとおわかりになりますように、1回で比較的明瞭なシワ等の結果が得られれることが多いです。
これは、モフィウス8の症例写真ではあまり見られることはないため、コラーゲンの増殖に関しては、グロースファクターの方がモフィウス8よりも多い印象です。
口角のグロースファクターは、弾力の低下+土台の損失(モフィウス8では脂肪が減る副作用あり)次第では改善のハードルが上がるため、注意が必要です。
モフィウス8とグロースファクターの治療の間隔
治療の間隔は、どちらを先に受けられる場合でも、相互に半年以上の間隔が必要です。
モフィウス8とグロースファクターはどちらを先に受けるべきか?
両者とも、皮膚のコラーゲンを増やすという原理の治療になります。
併用によりコラーゲンが増えすぎることで、凹凸やしこり、たるみ悪化などのリスクを防ぐため、注意が必要になります。
グロースファクター⇒モフィウス8の順番で受ける場合
実際には診察時に、照射部位、出力、深度、グロースファクターの施術部位との関係を確認する必要があります。
また、グロースファクターである程度皮膚のコラーゲンが増えた箇所にモフィウス8でコラーゲンをさらに増やした場合、特に皮膚の薄い目の下では、たるみ悪化のリスクに配慮が必要になります。
モフィウス8⇒グロースファクターの順に受ける場合
この場合も、コラーゲンが増えすぎによるたるみ悪化のリスクに配慮する必要があります。
また、皮膚の弾力が低下している方の場合は、別な注意が必要になります。
モフィウス8には皮下脂肪が減るという副作用があるため、お顔の皮膚の土台が減ることで、潜在的にたるみが悪化していることがあります。
その場合、「皮膚の弾力の低下」+「皮膚んホ土台の喪失」により、特に口角のグロースファクターにおいて、口元のたるみの改善のハードルが上がる(治りづらくなる)ことが考えられます。
モフィウス8のリスク・副作用・失敗例とその対応について
モフィウス8は低侵襲治療ですが、リスクがない治療ではありません。
針と熱を使う以上、赤み、腫れ、痛み、内出血、色素沈着、感染、熱傷、硬結、しびれなどの可能性があります。
よくある副作用(赤み・腫れ・色素沈着)と頻度
Aesthetic Surgery Journalの247名の前向き評価では、RFマイクロニードリングとバイポーラRF併用後の合併症として、6週間を超える腫れが4.8%、12週間を超える硬い部位が3.2%、神経麻痺が1.2%に見られ、いずれも自然に改善したと記載されています。
その他の合併症
2022年のAnnals of Plastic Surgeryのシステマティックレビューでは、皮下RF治療に関する30論文を検討し、以下の合併証を報告しています[3]。
- 硬結・結節
- 長引く腫れやしびれ
- アゴ付近のしびれ(神経麻痺)
同論文では、皮下RF治療が従来の外科的治療を上回る有効性・安全性を示す証拠は限定的であり、写真の信頼性や利益相反にも注意が必要だと結論づけています[3]。
つまり、モフィウス8を含むRF治療は、適応を選べば有用な可能性がありますが、「切らずに誰でもリフトアップできる」わけではないことを示しています。
料金
モフィウス8の料金は、部位、チップ、ショット数、麻酔、薬、モニター条件、セット回数によって大きく変わります。
そのため、「1回いくらか」だけで比較すると、実際の総額を見誤ることがあります。
相場と内訳:施術料金・オプション・モニター価格の違い
公開料金の例として、あるクリニックでは、目元66,000円、全顔+顎下99,000円、目元+全顔+顎下143,000円または165,000円、首88,000円、笑気麻酔6,600円と掲載されています。
また、別なクリニックでは、顎下〜首が初回92,400円、1回132,000円、頬〜顎下132,000円、頬〜首165,000円、目の下110,000円、目の下を含む目周り143,000円となっています。
さらに別なクリニックでは、全顔1回58,000円、全顔+顎下+首1回108,000円とあります。
このように、クリニックにより幅があります。
最安値の探し方と注意点
最安値を探す場合は、以下の確認が必要です。
- 表示価格に麻酔代が含まれるか。
- チップ代が別料金か。
- 照射範囲が「全顔」なのか「頬のみ」なのか。
- 目元、顎下、首が含まれるか。
- 医師施術か、看護師施術か。
- 診察料、薬代、再診料が別途必要か。
- モニター価格の場合、写真使用範囲や掲載条件がどうなっているか。
注意点として、RF治療は深度とエネルギー設定を誤ると、効果不足や副作用につながる可能性があります。
そのため、価格だけでなく、診察、適応判断、リスク説明、術後対応まで含めて比較することが大切です。
クリニック選びのポイント
モフィウス8は、機械を導入していれば同じ結果になる治療ではありません。
深度、出力、照射密度、重ね打ちの有無、部位ごとのリスク判断、術後管理によって結果が変わる可能性があります。
症例写真のチェックリスト
- 同じ条件で撮影されているか(「表情の違い」や「照明の明るさの違い(鼻下・アゴ下に注目するとわかりやすいです)」、「メイクの違い」をチェック)
- ビフォーアフターの「アフター」がいつの時点のものか(直後~1か月程度は、腫れにより本来の仕上がりではないため要注意。半年後の写真があれば確実)
- 他の施術との組み合わせの結果ではないか?(モフィウス8単独の結果か?併用治療がある場合、写真上の変化をすべてモフィウス8の効果と判断することはできません。)
- 何回施術をした結果か
機器・チップ・安全対策を確認するポイント
カウンセリングでは、次の質問をするとよいでしょう。
- 使用する機器はモフィウス8か。
- 使用するチップはどれか。
- 照射深度は何mmを予定しているか。
- 目元・顎下・首で出力を変えるか。
- 麻酔は何を使うか。
- 術後に赤みや色素沈着が出た場合、どのように対応するか。
カウンセリングで確認すべき質問
「私のたるみは、皮膚のゆるみ、脂肪、骨格、筋肉、どれが主な原因ですか?」
- 「モフィウス8で改善しやすい部分と、改善しにくい部分はどこですか?」
- 「1回でどの程度の変化を想定していますか?」「何回の施術をお勧めしますか?(その回数を受けた方の症例写真はありますか?)」
- 「他の治療の方が適している可能性はありますか?」
- 「副作用が起きた場合、どのような対応になりますか?」
- 「総額はいくらですか?」
この質問に対して、具体的に説明してくれるクリニックを選ぶことが大切です。
併用療法と代替オプション
モフィウス8は、単独で行うこともありますが、場合によっては他の治療と組み合わせることがあります。
注入治療との相性:ヒアルロン酸やボトックスとの同時施術・併用の注意
ヒアルロン酸はボリューム補正、ボトックスは表情ジワの軽減、モフィウス8は皮膚の引き締めや肌質改善を目的とします。
目的が異なるため、組み合わせが適する場合もあります。
ただし、同時施術の可否や順番は、注入部位、RF照射部位、炎症、腫れ、感染リスクによって判断が必要です。
脂肪吸引や成手術との役割分担
脂肪が多い場合は脂肪吸引、皮膚の余りが強い場合は切除手術、骨格的な影が強い場合は注入や外科的な治療が適することがあります。
Aesthetic Surgery Journalの論文では、RF治療は「切って縫う手術の代替ではなく、切除手術には早いが脂肪吸引だけでは皮膚収縮が不十分な患者層に対する選択肢」として位置づけられています[2]。
Q&A
Q. モフィウス8は痛いですか?
A. 針と熱を使うため、痛みを感じることがあります。
外用麻酔、局所麻酔、冷却などで痛みを軽減しますが、無痛とは限りません。
Q. ダウンタイムは何日ですか?
A. 文献では2〜5日とされていますが、赤み、腫れ、内出血、かさぶた、色素沈着などの出方には個人差があります[2]。
Q. 何回必要ですか?
A. 文献では1〜3回、3〜6週間間隔の設定例が示されています。
ただし、必要回数はたるみの程度、肌質、部位、希望する変化によって異なります[2]。
Q. たるみは完全に治りますか?
A. 完全に治るとは言えません。
軽度から中等度の皮膚のたるみが最も良い適応であり、強いたるみや皮膚の余剰には手術など別の治療がよい場合があります。
Q. 毛穴やニキビ跡にも効きますか?
A. 肌質改善や毛穴改善目的で治療することがはあります。
Q. 料金はどのくらいですか?
A. 全顔やアゴ下を含む施術で数万円台から十数万円台まで幅があります。
部位、麻酔、チップ代、薬代、モニター条件を含めた総額で確認することが重要です。
Q. グロースファクター後にモフィウス8を受けてもよいですか?
A. グロースファクター後の照射治療は1か月後から施術自体は可能ですが、治療結果が不明確になる可能性を考え、できれば半年控えることをおすすめしています。(詳細>)
まとめ
モフィウス8は、マイクロニードルとRF高周波を組み合わせ、真皮から皮下組織に熱エネルギーを届ける治療です。
コラーゲン、エラスチン、線維芽細胞、血管構造の変化が報告されており、軽度から中等度の皮膚のゆるみ、フェイスラインのもたつき、肌質改善に対する選択肢となり得ます[1][2]。
モフィウス8は「軽度〜中等度のたるみ・肌質改善」に向きますが、必ずしも万能ではありません。
特に強いたるみ、皮膚のだぶつき、皮下脂肪が多い例、骨格による影、深いほうれい線をモフィウス8だけで大きく変えることは難しい場合があります。
また、皮下RF治療に関するシステマティックレビューでは、有効性・安全性に関するエビデンスの限界、写真評価の問題、利益相反、合併症への注意が指摘されています[3]。
当院では、顔のシワ・たるみを、皮膚のコラーゲン減少、脂肪、骨格、シミ・くすみ・毛穴などに分けて考えます。
モフィウス8とグロースファクターは、どちらか一方が常に正解というものではありません。
大切なのは、ご自身のお悩みが、肌質の問題なのか、皮膚のハリの問題なのか、脂肪や骨格の問題なのかを見極めることです。
その上で、モフィウス8、グロースファクター、ボトックス、手術などを、必要に応じて順番と間隔を考えながら選ぶことが重要です。
参考文献
[1]Flegontova E, Kreindel M, Vranis NM, Mulholland RS. “Correction of age-related changes in the skin at the dermal and subdermal level using radiofrequency macroneedling therapy.” Journal of Cosmetic Dermatology. 2024;23(7):2401–2410.
[2]Dayan E, Chia C, Burns AJ, Theodorou S. “Adjustable Depth Fractional Radiofrequency Combined With Bipolar Radiofrequency: A Minimally Invasive Combination Treatment for Skin Laxity.” Aesthetic Surgery Journal. 2019;39(Supplement_3):S112–S119.
[3]Swanson E. “A Systematic Review of Subsurface Radiofrequency Treatments in Plastic Surgery.” Annals of Plastic Surgery. 2022;89(3):274–285.





