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  • 目の下のたるみ・クマ

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)とは?

 執筆者: 加治佐 卓也
医学博士・形成外科専門医

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)とは

バセドウ病の25~50%に見られる眼病変です。
グレーヴス病眼症(Graves ophthalmopathy)とも呼ばれます。

その他、橋本病の2%にも見られます。

また、20%はバセドウ病の既往のない甲状腺機能性状(euthyroid Grave’s disease)または低下症(hypothyroid -)でも見られます。

症状

重要な症状

特に視力、炎症、斜視、および外観の変化・眼球の露出が重要です。(これら4つはVISAの頭文字で覚えることができます。)

視力障害の症状としては、視力・色覚異常、視野欠損などが見られます。

炎症を評価するCASと呼ばれる方法では、痛み、発赤、腫れ、視覚機能障害を評価します。

斜視には、複視がある場合とない場合があります。

外観の変化・眼球の露出の客観的な測定には、まぶたの閉じ具合や眼球突出、余分な脂肪の脱出を調べます。
その他、角膜の染色による角膜潰瘍の評価を行います。

その他の症状

  • 眼球突出
  • 複視・・・ものが二重に見える症状です。
  • 眼球運動障害・・・メビウス徴候と呼ばれる症状が起こることがあります。輻湊障害(寄り目ができなくなる)のために、近くを注視した時に片方の眼球が外側に向く(外転する)症状です。
  • まぶたのむくみ
  • 結膜の充血
  • 視神経障害・・・甲状腺眼症の約6%は重症化し、視神経が圧迫されることで失明の危険性もあります。
  • 涙の分泌が減る
  • 上眼瞼後退・・・上まぶたが上の方に引っ張られてびっくりしたような目つきになることを言います。また、下を見た時に白目が目立つ症状が特徴的です。

眼球突出が起こる原因

目の下の脂肪などに炎症が起こる

外眼筋(目の周りの筋肉)や球後結合組織(眼窩脂肪)の炎症が原因です。
自己免疫機序が関与しています。(眼窩脂肪が甲状腺刺激ホルモンの刺激を受けやすい状態になっています。また、甲状腺刺激ホルモン受容体抗体の活性が高くなっており、その結果、眼窩脂肪の炎症が起こり、眼球突出が生じます。)

リンパ球で作られるヒアルロン酸などの酸性ムコ多糖体と呼ばれる物質(水分を引き寄せる性質がある)により眼窩脂肪の水分量が増加します。
その結果、外眼筋や眼窩脂肪組織のボリュームが増し、眼球が押し出されることで、眼球突出が起こります。

目の下の脂肪のボリューム増加により目の下のクマができる

目の下に黒クマができることがありまあす。

喫煙者は眼症の発症率が高い

喫煙者は眼症の発症率が高くなります。

また、重症化しやすいと言われています。

活動期に眼球突出が進行する

活動期は、炎症性の変化が起こり、症状が進行します。
活動期は最大24か月続く可能性があります。

その後、非活動期が続きます。
また、活動期が延長されることもあり、場合によっては喫煙などの危険因子によって再活性化されることがあります。

遺伝も関係している

HLA-B8, DR3, and DQA1*0501ハプロタイプという遺伝子型があると甲状腺眼症にかかりやすくなります。

一方、HLA-DR β1*07という遺伝子型は甲状腺眼症にかかりにくくなると言われています。

治療法

軽度の眼球突出、軽度の複視・眼球運動障害に対しては、ステロイドの局所注射が行われます。

中等症・最重症の活動性の時期は、ステロイドパルス療法、免疫抑制療法、放射線外照射療法が行われます。

改善が見られない難治例や炎症が落ち着き、症状が固定した場合には、手術による治療(眼窩減圧術)も行われます。

微量金属であるセレンは細胞の酸化還元維持に役割を果たし、活性酸素種を減らす可能性があります。

また、最近では以下の治療法もあります。

  • リツキシマブ・・・抗CD20抗体
  • トシリズマブ・・・抗IL-6抗体
  • テプロツムマブ・・・IGF-1R抗体

 

参考文献

Am J Ophthalmol. 1996 Mar;121(3):284-90.

 

 

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